個人住民税(市・県民税)の主な税制改正
更新日:2024年5月15日
税制改正により適用となる個人住民税の主な改正点についてご案内します。
令和6年度以降の適用
令和6年度分の市・県民税の定額減税の実施
わが国経済をデフレに後戻りさせないための措置の一環として、令和6年度税制改正において、令和6年度分の市・県民税において定額減税が実施されることとなりました。
対象となる方
令和6年度(令和5年中)の合計所得金額が1,805万円以下の方(給与収入のみの場合は、給与収入2,000万円以下(子ども・特別障害者等を有する者等の所得金額調整控除の適用を受ける方は、2,015万円以下))
なお、令和6年度市・県民税が均等割のみ課税される方は対象となりません。
減税額
次の金額の合計額となります。
・本人 1万円
・控除対象配偶者を含む扶養親族1人(国内居住者に限る)につき 1万円
例)本人、控除対象配偶者、扶養の子ども2人の場合の減税額
本人1万円+控除対象配偶者1万円+扶養の子ども2人×1万円=4万円
*減税は、すべての税額控除(寄附金控除、住宅ローン控除等)を行った後の所得割額から行います。
*定額減税は、清須市が保有する税情報(確定申告書、住民税申告書、給与支払報告書、年金支払報告書等)をもとに算出しますので、定額減税を受けるための申請等は必要ありません。
*控除対象配偶者以外の同一生計配偶者の方がいる場合は、令和7年度分の市・県民税において1万円の定額減税が行われます。
詳しい情報については、以下のリンクをご覧ください。
関連ページ
森林環境税の創設
平成30(2018)年5月に成立した森林経営管理法を踏まえ、パリ協定の枠組みの下における我が国の温室効果ガス排出削減目標の達成や災害防止等を図るための森林整備等に必要な地方財源を安定的に確保する観点から、平成31(2019)年3月に「森林環境税及び森林環境譲与税に関する法律」が成立し、「森林環境税」及び「森林環境譲与税」が創設されました。
「森林環境税」は、令和6(2024)年度から、個人住民税均等割の枠組みを用いて、国税として1人年額1,000円を市町村が賦課徴収するものです。
なお、平成26年度から、東日本大震災の教訓を踏まえた緊急防災・減災事業を推進するため、市民税・県民税にそれぞれ500円(計1,000円)が加算されておりますが、これは、令和5年度で終了します。
内容 | 市民税 | 県民税 |
---|---|---|
標準税率 | 3,000円 | 1,000円 |
東日本大震災の教訓を踏まえた緊急防災・減災事業のための施策財源 | 500円 | 500円 |
あいち森と緑づくり税 | 500円 | |
合計 | 5,500円 |
内容 | 市民税 | 県民税 | 国税 | |
---|---|---|---|---|
個人住民税均等割 | 標準税率 | 3,000円 | 1,000円 | |
あいち森と緑づくり税 | 500円 | |||
森林環境税 | 1,000円 | |||
合計 | 5,500円 |
関連ページ
上場株式等の配当所得等に係る課税方式の統一
上場株式等の配当等及び上場株式等の譲渡所得については、所得税と個人住民税が一体として課税されることとされてきたことなどを踏まえ、所得税と個人住民税の課税方式を一致させることとされました。
これにより、所得税と異なる課税方式を選択することができなくなります。
所得税で上場株式等に係る配当所得及び譲渡所得等を確定申告すると、これらの所得は住民税でも所得に算入されます。
そのため、配偶者控除や扶養控除の適用、非課税判定、国民健康保険や後期高齢者医療保険料、介護保険料などの算定に影響がでたり、各種行政サービスなどに影響がでたりする場合があります。課税方式の選択は、慎重にご判断ください。
上場株式等の配当等の課税方式とその選択
上場株式の譲渡所得の課税方式とその選択
森林環境税・住民税非課税範囲【令和6年度以降】 (PDF:130KB) (PDF:130KB)
国外居住親族に係る扶養控除等の見直し
年齢30歳以上70歳未満の国外扶養親族について、次のいずれにも該当しない場合は扶養控除等の適用及び個人住民税の非課税限度額の適用対象から除外されます。
- 留学により非居住者になった方
- 障害者
- 扶養控除等を申告する納税義務者から前年における生活費又は教育費に充てるための支払いを38万円以上受けている方
令和5年度以降の適用
1.未成年者の対象年齢の引下げ
民法の成年年齢引下げに伴い、令和5年度から、個人住民税における非課税判定の年齢が変更されました。
令和4年度まで | 令和5年度から |
---|---|
20歳未満 | 18歳未満 |
2.住宅ローン控除の改正
(1)控除の適用期限が令和7年12月31日まで延長されました。
(2)住民税の住宅ローン控除限度額と控除適用期間が変更になりました。
前年分の所得税において住宅借入金等特別税額控除を受けた者で、所得税から控除しきれなかった額がある場合に、次の(ア)か(イ)のいずれか少ない金額を限度として市・県民税の税額控除を受けることができます。
(ア)前年分の所得税の住宅借入金等特別控除可能額のうち、 所得税において控除しきれなかった額
(イ)以下の表に準じて算出された金額
入居年月日 | 控除限度額 | 控除適用期間 |
---|---|---|
平成21年1月から平成26年3月 | 前年分の所得税の課税総所得金額等の5% | 10年間 |
平成26年4月から令和元年9月 | 前年分の所得税の課税総所得金額等の7% | 10年間 |
令和元年10月から令和2年12月(注釈1) | 前年分の所得税の課税総所得金額等の7% | 13年間 |
令和3年1月から令和4年12月(注釈1)(注釈2) | 前年分の所得税の課税総所得金額等の7% (上限額136,500円) | 13年間 |
令和4年1月から令和7年12月 | 前年分の所得税の課税総所得金額等の5% | (注釈3) |
(注釈1)住宅の取得等にかかる費用の額に含まれる消費税額等が10%の場合に限ります。
(注釈2)住宅取得等に係る契約が新築(注文住宅)の場合は令和2年10月から令和3年9月までの期間、分譲住宅、中古住宅の取得、増改築等の場合は令和2年12月から令和3年11月までの場合に限ります。
(注釈3)新築等の認定住宅等の場合は令和4年から令和7年の入居で13年間、新築等のその他の住宅の場合は令和4・5年の入居で13年間、令和6・7年の入居で10年間、既存住宅の場合は令和4年から令和7年の入居で10年間となります。
※詳しくは、下記国土交通省ホームページをご覧ください。
3.セルフメディケーション税制の見直し
(1)セルフメディケーション税制の適用期間が5年延長され、令和8年12月31日までになりました。
(2)税制対象医療品がより効果的なものに重点化されました。
(3)申告時に、取組に関する書類を申告書へ添付する必要がなくなり、手元保管となりました。
(4)明細書に医療品購入費とあわせて取組に関する事項を記載し、申告書に添付することとなりました。
※詳しくは、下記厚生労働省ホームページをご覧ください。
セルフメディケーション税制(医療費控除の特例)について(外部サイト)
令和3年度以降の適用
1.基礎控除の改正
(1)基礎控除額が10万円引き上げられます。
(2)合計所得金額が2,400万円を超える納税義務者については、金額に応じて控除額が逓減し、2,500万円を超える場合は基礎控除の適用ができなくなります。
合計所得金額 | 基礎控除額 | |
---|---|---|
改正後 | 改正前 | |
2,400万円以下 | 43万円 |
33万円 |
2,400万円超2,450万円以下 | 29万円 |
|
2,450万円超2,500万円以下 | 15万円 | |
2,500万円超 | 適用なし |
2.給与所得控除の改正
(1)給与所得控除額が一律10万円引き下げられます。
(2)給与所得控除の上限額が適用される給与等の収入金額が1,000万円から850万円に、上限額が220万円から195万円にそれぞれ引き下げられます。
※子育て世帯や介護世帯には負担増が生じないよう、所得金額調整控除の措置があります。
給与等の収入金額 | 給与所得控除額 | |
---|---|---|
改正後 | 改正前 | |
162万5千円以下 | 55万円 | 65万円 |
162万5千円超180万円以下 | 収入金額×40%-10万円 | 収入金額×40% |
180万円超360万円以下 | 収入金額×30%+8万円 | 収入金額×30%+18万円 |
360万円超660万円以下 | 収入金額×20%+44万円 |
収入金額×20%+54万円 |
660万円超850万円以下 | 収入金額×10%+110万円 |
収入金額×10%+120万円 |
850万円超1,000万円以下 |
195万円 | |
1,000万円超 |
220万円 |
3.公的年金等控除の改正
(1)公的年金等控除額が一律10万円引き下げられます。
(2)公的年金等の収入金額が1,000万円を超える場合、控除の上限額が195万5千円となります。
(3)公的年金等に係る雑所得以外の所得に係る合計所得金額が、1,000万円超2,000万円以下の場合は10万円、2,000万円超の場合には20万円が、それぞれ上記(1)(2)の見直し後の控除額から引き下げられます。
年金受給者の年齢 | 公的年金等の収入金額(A) | 公的年金等控除額 | |||
---|---|---|---|---|---|
改正後 | 改正前 | ||||
公的年金等に係る雑所得以外の所得に係る合計所得金額 | |||||
1,000万円以下 | 1,000万円超 |
2,000万円超 | 区分なし | ||
65歳以上 | 330万円以下 | 110万円 |
100万円 | 90万円 | 120万円 |
330万円超410万円以下 |
(A)×25%+27万5千円 |
(A)×25%+17万5千円 |
(A)×25%+7万5千円 |
(A)×25%+37万5千円 |
|
410万円超770万円以下 | (A)×15%+68万5千円 |
(A)×15%+58万5千円 |
(A)×15%+48万5千円 |
(A)×15%+78万5千円 |
|
770万円超1,000万円以下 | (A)×5%+145万5千円 |
(A)×5%+135万5千円 |
(A)×5%+125万5千円 |
(A)×5%+155万5千円 |
|
1,000万円超 |
195万5千円 | 185万円5千円 | 175万5千円 | ||
65歳未満 | 130万円以下 |
60万円 | 50万円 | 40万円 | 70万円 |
130万円超410万円以下 | (A)×25%+27万5千円 |
(A)×25%+17万5千円 |
(A)×25%+7万5千円 |
(A)×25%+37万5千円 |
|
410万円超770万円以下 | (A)×15%+68万5千円 |
(A)×15%+58万5千円 |
(A)×15%+48万5千円 |
(A)×15%+78万5千円 |
|
770万円超1,000万円以下 | (A)×5%+145万5千円 |
(A)×5%+135万5千円 |
(A)×5%+125万5千円 |
(A)×5%+155万5千円 |
|
1,000万円超 |
195万5千円 | 185万5千円 | 175万5千円 |
4.所得金額調整控除の創設
給与所得控除の見直しにより子育て世帯や介護世帯に負担増が生じないよう、所得金額調整控除が創設されました。
次に該当する場合は、給与所得から所得金額調整控除が控除されます。
(1)給与等の収入金額が850万円を超え、次のアからウのいずれかに該当する場合
ア.本人が特別障害者に該当する
イ.年齢23歳未満の扶養親族を有する
ウ.特別障害者である同一生計配偶者もしくは扶養親族を有する
所得金額調整控除額=(給与等の収入金額※-850万円)×10%
※給与等の収入金額が1,000万円を超える場合1,000万円とする。
(2)給与所得控除後の給与等の金額及び公的年金等に係る雑所得の金額があり、その合計額が10万円を超える場合
所得金額調整控除額=(給与所得控除後の給与等の金額※+公的年金等に係る雑所得の金額※)-10万円
※それぞれ10万円を超える場合は10万円とする
(1)、(2)の両方に該当する場合は、(1)の控除後に(2)の金額を控除します。
5.調整控除の改正
合計所得金額が2,500万円を超える場合、調整控除の適用ができなくなります。
6.扶養控除等の所得金額要件の改正
所得控除の引き下げに伴い、扶養親族等の合計所得金額要件も見直されます。
要件等 | 改正後 | 改正前 |
---|---|---|
同一生計配偶者及び扶養親族の合計所得金額 |
48万円以下 | 38万円以下 |
配偶者特別控除に係る配偶者の合計所得金額 | 48万円超133万円以下 | 38万円超123万円以下 |
勤労学生控除の合計所得金額 | 75万円以下 | 65万円以下 |
家内労働者等の特例 |
55万円 | 65万円 |
7.未婚のひとり親に対する税制上の措置及び寡婦(寡夫)控除の見直し
すべてのひとり親家庭に対して公平な税制を実施する観点から、「婚姻歴の有無による不公平」と「男性のひとり親と女性のひとり親の間の不公平」を解消するため、次のとおり寡婦(寡夫)控除が見直されます。
1.婚姻歴の有無や性別にかかわらず、生計を一にする子(総所得金額等が48万円以下)を有する単身者(合計所得金額が500万円以下に限る)について「ひとり親控除」が適用されます。(控除額30万円)
2.上記以外の寡婦については、引き続き寡婦控除として控除額26万円を適用し、子以外の扶養親族を持つ寡婦についても、男性の寡夫と同様の所得制限(合計所得金額500万円以下)が設定されます。
※ひとり親控除・寡婦控除のいずれも、住民票の続柄に「夫(未届)」「妻(未届)」の記載がある方は適用されません。
改正前後の所得控除の額
8.個人住民税非課税範囲の改正
※改正は赤字部分
均等割と所得割がかからない方
・生活保護法により生活扶助を受けている人
・1月1日現在、障害者、未成年者、寡婦又はひとり親で、前年の合計所得金額が135万円以下(給与所得者の年収に直すと2,044,000円未満)の人
・前年の合計所得金額が42万円以下(給与収入では97万円以下)の人
・扶養親族があり、前年中の合計所得金額が次の算式で求めた額以下の人
32万円×親族数(本人+同一生計配偶者+扶養親族の数)+18万9千円+10万円
所得割がかからない方
・前年の総所得金額等が45万円以下(給与収入では100万円以下)の人
・扶養親族があり、前年中の総所得金額等が次の算式で求めた額以下の人
35万円×親族数(本人+同一生計配偶者+扶養親族の数)+32万円+10万円
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